要注意!ブラック企業の特徴とは?見抜き方と求人チェックのポイントも解説


この会社は数ヶ月単位で入社と離職があるけど、この会社は数年単位。でも、体を悪くして退職する人が多いみたい。結局、どっちもブラック企業な


ブラック企業も一概に黒くなくて、グレーの濃いもの、薄いものも、漆黒もあります。特に求人広告に「音楽の流れる職場」「活気があります」「家族気分」を匂わせる会社は、その傾向が強いようです。明日も会社に行きたくなる、良い会社に縁があれば良いですね。


入社したものの想像以上の厳しい労働環境に直面し、転職を考える人は少なくありません。同じような職場を避けるには、転職活動を始める前にブラック企業の特徴を把握することが大切です。この記事では、ブラック企業の特徴や見分け方、求人情報からブラック企業を見抜く方法を解説します。

記事を読むことで、ブラック企業の特徴を理解でき、今後の転職活動に活かせます。ブラック企業を見抜くには、労働法に関する正しい知識を持つことが重要です。

目次

ブラック企業の特徴

ブラック企業とは、労働者の権利や健康を軽視し、劣悪な労働環境を強いる企業のことです。ブラック企業に共通する特徴は、以下のとおりです。

  • 長時間労働が常態化している
  • 休日・有給の取得を拒否される
  • 賃金が安いもしくは支払われない
  • 残業代が出ない・サービス残業が多い
  • 雇用契約に不透明な内容がある
  • 離職率・休職率が高い
  • 募集要項に具体性がない
  • 上司や社長の意見が絶対視されている
  • パワハラやセクハラが多い

長時間労働が常態化している

法律で定められた労働時間を大幅に超える長時間労働は、ブラック企業に共通する最も典型的な特徴の一つです。ブラック企業の中には、36協定の上限を超える残業が強いられたり、休憩なしで夜遅くまで働かされる職場もあります。

過労死ラインを超える月80時間の残業を強いるケースもあり、社会的に問題視されています。長時間労働が続くと、心身の健康に深刻な影響を及ぼすため注意が必要です。長時間労働の背景には「残業が当たり前」とされる風潮や「周囲がまだ働いているから帰りづらい」などの同調圧力があります。

休日・有給の取得を拒否される

休日や有給休暇の取得を認めないなど、労働者の権利を無視する行為は、ブラック企業の特徴の一つです。法律では週に1日、または4週間に4日の休日を与えることが義務付けられています。休日取得の拒否は、労働基準法違反に該当する行為です。

人手不足や忙しいなどを理由に休日を取らせず、出勤を強要する職場はブラック企業と判断できます。年5日の有給休暇取得も法律で義務化されていますが、取得しづらい雰囲気や無言の圧力があることもブラック企業の特徴です。

賃金が安いもしくは支払われない

ブラック企業では、最低賃金を下回る給与や未払い・遅延などの賃金トラブルが多く見られます。以下のような賃金トラブルは、いずれも違法です。

  • 給与が最低賃金を下回っている
  • 給与の支払いが遅延、または未払いになっている
  • 残業代を基本給に含めて処理している
  • 歩合制度の計算方法が不明確である
  • 賃金が正当な説明なくカットされている

新入社員は「経験を積むために今は我慢すべき時期」と考えがちです。しかし、正当な報酬を得られないまま働き続けると、将来のキャリアに悪影響を与えかねません。賃金の不備に気づくためにも、給与明細は必ずチェックしましょう。不明な控除項目が多かったり、説明がなかったりする場合は問題があると判断できます。
» 給料が安い原因と給与アップ方法を解説!

残業代が出ない・サービス残業が多い

残業代が支払われない行為は、労働者の権利を侵害する深刻な問題です。実際に多くのブラック企業では、さまざまな方法で残業代の支払いを逃れようとします。特に横行している行為は、以下のとおりです。

  • タイムカード打刻後も仕事をさせる
  • みなし残業制度を悪用する
  • 成果が出ていないことを理由に残業代を支払わない

労働基準法で定められた残業に対し、割増賃金の支払いを無視しているブラック企業も多くあります。残業代不払いの問題は、労働者の権利を奪う不当な扱いであり、ブラック企業の典型的な特徴の一つです。

雇用契約に不透明な内容がある

雇用契約の内容が不透明な企業は、ブラック企業の可能性が高い傾向にあります。以下のケースが見られる場合は、注意してください。

  • 雇用契約書が交付されない
  • 口頭説明と実際の契約内容に食い違いがある
  • 雇用形態や業務内容の範囲が明示されていない
  • 残業代の計算方法や支払い条件の記載がない
  • 休日出勤・深夜勤務に関する取り決めが存在しない
  • 契約条件が会社側に有利になっている
  • 就業規則の開示請求や閲覧ができない

契約内容が不明確だと、サービス残業や一方的な条件変更といったトラブルにつながるおそれがあります。

離職率・休職率が高い

離職率と休職率の高さは、ブラック企業に多く見られる代表的な特徴の一つです。入社1年以内の離職率が30%を超えていたり、3年以内に半数以上が退職したりする企業は、職場に問題がある可能性があります。以下の状況が見られる企業は、ブラック企業の可能性があります。

  • 特定の部署で退職が連鎖している
  • 大量採用を繰り返しているのに社員数が増えていない
  • 常に中途採用を募集している
  • メンタルの不調による休職者が多い
  • 長期勤続者が極端に少ない

離職率や休職率が高い企業では、労働条件や人間関係に課題があると考えられます。働き続けるうえで大きなリスクを伴うため、注意しましょう。
» 職場の人間関係が悪化する原因と改善方法を解説!

募集要項に具体性がない

労働条件や業務内容が曖昧な求人を出している企業は、社員に対して負担を強いることが多く見られます。「即戦力募集」などの言葉を使っている企業では、複数の業務を1人に任せ、過重労働や残業、休日出勤を強いる場合もあります。具体性のない求人を出している場合は、ブラック企業の可能性があるため、注意しましょう。

上司や社長の意見が絶対視されている

ブラック企業に共通する特徴の一つに、上司や社長の意見が絶対視される職場環境があります。上司の顔色をうかがい、発言を控えるようになる社員も多く、職場全体に緊張感と萎縮ムードが漂います。

ブラック企業の職場では、現場からの改善案や新しいアイデアが届きにくく、非効率な業務や問題点が放置されがちです。結果的に、労働環境の改善が進まず、社員のモチベーションが低下し、離職につながるケースも多くあります。

自分の意見を伝えられない環境では、若手社員が主体的に動く機会を失い、スキルアップや自己成長にも大きな支障をきたします。組織としての柔軟性や発展性が失われることからも、上層部の意見が絶対視される風土は、ブラック企業に特有の体質です。
» 【頑張っても報われない】評価されず疲れたときの選択肢を紹介

パワハラやセクハラが多い

パワハラやセクハラが蔓延している職場は、精神的な健康を著しく損なう危険性があります。多くのブラック企業では、ハラスメント行為が日常的に行われているにもかかわらず、適切な対応がなされていません。パワハラは、上司や同僚からの暴言や人格否定、過剰な叱責などの形で現れます。

ブラック企業で横行しているハラスメントは、以下のとおりです。

パワハラセクハラ
特定の社員だけを業務から外す・無視するセクシャルな冗談や不適切な発言
無理な飲み会への誘い不要な身体的接触
プライベートへの過度に干渉容姿に対する言及

ハラスメントに対する相談窓口や通報制度がない職場も多く、被害を訴えても「気にしすぎ」などと軽視されるケースもあります。企業としての対応体制が欠如している点も、ブラック企業に共通する特徴の一つです。
» パワハラ上司の特徴と対処法を解説

ブラック企業かどうか見分けるポイント

ブラック企業かどうか見分けるポイントは、以下のとおりです。

  • 労働時間が法定時間を超えていないか
  • 給与形態が適切か
  • 募集要項が具体的か
  • 社内の雰囲気は良いか

労働時間が法定時間を超えていないか

労働基準法では、原則として1日8時間・週40時間以内とする法定労働時間が明確に定められています。法定労働時間を超えて働かせる場合、企業は労働者との間で「36協定」を結び、労働基準監督署に届け出なければなりません。ただし、36協定があっても残業時間の上限は月45時間・年360時間までです。

特別な事情がある場合でも年720時間・複数月平均80時間・単月100時間未満までしか労働は許可されていません。月80時間を超える残業は「過労死ライン」とされ、心身に深刻な悪影響を及ぼすリスクが高まります。

法律で定められた基準を超える長時間労働が常態化している企業は、労働環境が不健全であり、ブラック企業に該当します。
» 残業時間の平均は?業界・職種別の残業時間の実態を解説

給与形態が適切か

給与体系が不明確な企業は、ブラック企業の典型的な特徴です。以下のポイントを確認すると、給与形態の適正を判断できます。

  • 給与形態の内訳が明確に説明されているか
  • 最低賃金を下回っていないか
  • 残業代が正しく支払われているか
  • 給与明細に不明瞭な控除や曖昧な項目がないか

透明性のある企業であれば、給与体系について明確に説明してくれます。試用期間中の給与が明らかに低い場合は注意が必要です。ブラック企業は、試用期間を利用して不当に低い賃金で働かせる場合があるためです。試用期間中の給与が本採用後と比べて著しく低く設定されている場合は、理由を確認しましょう。

募集要項が具体的か

業務内容や勤務時間、休日、給与条件などの基本情報が明確に記載されていない求人には注意が必要です。内容が抽象的で、具体的な業務や労働条件が示されていない場合、入社後に想定と異なる働き方を強いられるリスクがあります

具体性に欠ける求人は、企業側が意図的に情報を開示していない可能性もあり、後のトラブルにつながりかねません。

社内の雰囲気は良いか

空気が重く、社員同士の関係が悪い職場では、精神的な負担が大きくなり、長く働くことが難しくなります。社内の雰囲気を見極めるには、社員同士のコミュニケーションや表情、上司と部下の関係性などに注目しましょう。会社見学や面接時には、以下のポイントを観察してください。

  • 過度な静けさがないか
  • ピリピリとした緊張感が漂っていないか
  • 社員間でのコミュニケーションが取られているか

黙々と作業するだけの職場では、人間関係が築きづらく、働きにくさを感じやすくなります。

ブラック企業の求人情報の見抜き方

ブラック企業を見抜くには、求人情報の注意深い分析が有効です。以下のポイントが当てはまらないか、求人情報をよく確認しましょう。

  • 休日が業界平均より少なくないか
  • 求人広告に抽象的な言葉が多用されていないか
  • 常に求人をかけていないか

休日が業界平均より少なくないか

求人情報に記載された年間休日数が、業界平均よりも明らかに少ない企業は、働きやすさの面で注意が必要です。休日が確保されていない職場では、心身の疲労が蓄積しやすく、仕事への満足度や定着率に悪影響を及ぼします。年間休日数が105日未満の企業だと、私生活とのバランスを保ちにくいため、特に注意しましょう。

休日数だけでなく、有給休暇の平均取得率も重要な指標です。有給が取りにくい企業では、制度としては存在していても、実際には休暇を申請しづらい雰囲気が根付いている可能性があります。求人票で明記されていない場合でも、面接時などに必ず確認しておくことが重要です。

求人広告に抽象的な言葉が多用されていないか

求人広告に使われている言葉の選び方には、企業の姿勢や労働環境の実態が反映されている場合があります。業務内容や労働条件の記載がなく「やりがいがある」や「成長できる」などの抽象的な表現が多い求人は応募を避けるべきです。労働条件に関しても「残業少なめ」や「○○万円以上可能」など不明確な表現には要注意です。

求人広告を見る際は、業務内容や労働時間、給与体系、福利厚生などが明確に記載されているか確認しましょう。

常に求人をかけていないか

企業が常に求人をかけている状況は、定着率の低さや会社内部に問題を抱えている可能性を示しています。特定の部署や職種の募集が繰り返されている場合は注意が必要です。

「急募」や「増員」などの文言を使用していたり、複数の求人サイトで同時に募集していたりする場合も警戒すべきです。慢性的な離職や人員不足を示している可能性があります。就職先を選ぶときには、労働環境に問題がある可能性を念頭に置き、慎重に検討しましょう。

まとめ

ブラック企業では、長時間労働や休日取得の拒否、低賃金、残業代未払いなど、労働者の基本的な権利が軽視されがちです。ブラック企業を避けるためにも、求人情報に記載された情報をもとに企業の実態を見抜く視点が求められます

年間休日が極端に少ない企業や抽象的な表現ばかりの求人、常に同じ職種を募集している企業には注意が必要です。入社後に違和感を覚えた場合は、一人で悩まず転職も含めた選択肢を検討しましょう。労働環境を改善するには、権利を正しく理解し、必要に応じて行動することが大切です。

20代前半であれば、今からでも自分に合った働き方を見つけることは十分に可能です。無理に続けず、自分らしく働ける職場を目指して進んでいきましょう。
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