おかしいな、パワハラなんてしてないもんな
部下から見た、パワハラ上司は簡単に出来上がります。歳をとるごとに注意してくれる人が居なくなり、経験がものをいう環境であれば、あっという間に一級品のパワハラ上司が誕生。実力がある人ほど、パワハラ上司になりやすいです。
業界で、社内で生き残ることのできた実力は確かなものなので、おっしゃる内容の論理は通っています。しかし、部下からしたら正論をぶつけられると、たまったものではありません。EQ(心の知能指数)を上げて、お互いを思いやる気持ちが大事ですね。
パワハラ上司のもとで働くと、心身に負担がかかります。毎日パワハラ上司の顔色をうかがい、強いストレスを感じている人は多くいます。就職して間もない20代前半は、職場や人間関係に不安を感じやすい時期です。この記事ではパワハラ上司の特徴や対処法、転職を検討する判断基準を体系的に解説します。
記事を読めばパワハラの兆候を早期に見抜き、正しく対応する力が身に付きます。上司のパワハラは我慢しても解決しません。上司のパワハラから心と身体を守るための一歩を踏み出しましょう。
パワハラ上司の特徴

パワハラ上司の特徴は以下のとおりです。
- 感情をコントロールできない
- 自分を優秀だと思っている
- 根性論を押し付ける
- 他責思考や完璧主義である
感情をコントロールできない
パワハラ上司の特徴は、感情をコントロールできないことです。上司のパワハラは職場の雰囲気を悪化させるだけでなく、部下の精神的な健康にも深刻な影響を与えます。感情をコントロールできないパワハラ上司の特徴は、以下のとおりです。
- 些細なことで突然怒鳴る
- 気分によって態度が極端に変わる
- ストレスを部下にぶつける
- 感情を優先し状況を無視する
- 相手の気持ちをまったく考えない
いつ感情が爆発するかわからないパワハラ上司のもとで働くと、常に緊張を強いられます。「熱血」や「情熱」といった言葉で、感情的な言動を正当化するパワハラ上司もいます。
自分を優秀だと思っている

パワハラ上司の特徴の一つは、自分を過度に優秀だと思い込むことです。自己評価が極端に高く、他者の意見を受け入れません。パワハラ上司は、自分の経験や能力を過大に評価し「自分の考えが正しい」と信じて疑わないのが特徴です。
パワハラ上司は、若手社員の意見や提案には耳を貸さず「私の言うことが正しい」といった姿勢で接します。自分を優秀だと考えているパワハラ上司の行動パターンは、以下のとおりです。
- 自分の功績ばかりを誇示する
- 部下の貢献を正当に評価しない
- 失敗を認めず他人に責任転嫁する
- 過去の成功体験ばかりを引き合いに出す
- 自分のやり方を一方的に押し付ける
根性論を押し付ける
パワハラ上司の典型的な特徴の一つが「根性論の押し付け」です。「若い頃は苦労して当然」といった時代遅れの精神論を若手に押し付け、自身の過去の経験を繰り返し語ります。パワハラ上司は精神論を持ちだし、時代に合わない価値観を強要するのが特徴です。
根性論を押し付けるパワハラ上司は、同じ経験を部下にも強いるべきだと考えています。
他責思考や完璧主義である
他責思考や完璧主義のパワハラ上司は、職場の雰囲気を悪化させる存在です。他責思考や完璧主義のパワハラ上司は、問題が起きても自分の責任を認めず、部下や職場環境のせいにします。「お前のせいで計画が遅れた」「君が悪い」などの発言を日常的に繰り返します。
責任を他人に押し付ける傾向のある上司がいると、部下は委縮し報連相がスムーズにできません。他責思考や極度な完璧を求める上司は、職場全体のコミュニケーションにも悪影響を及ぼします。
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パワハラ上司から受ける被害例

パワハラ上司から受ける被害例は以下のとおりです。
- 侮辱や脅迫を受ける
- 暴力を振るわれる
- 不適切な業務命令を受ける
- 社内で孤立させられる
- 個人の尊厳を傷つけられる
侮辱や脅迫を受ける
上司のパワハラの中でも、精神的ダメージが大きいのが侮辱や脅迫を受けることです。侮辱や脅迫の具体例は、以下のとおりです。
- 「無能」「使えない」などの侮辱的な言葉を使う
- 「クビにするぞ」などと脅す
- 他の社員の前で激しく叱責する
- 些細なミスを過剰に非難する
- 容姿や話し方など個人的な特徴をやゆする
言葉による攻撃は身体的な暴力がないため見過ごされがちですが、明確なパワハラです。上司のパワハラは、少しずつ心をむしばみ、仕事への意欲を奪います。上司の侮辱や脅迫が続くと、不安障害やうつ病などの精神疾患を引き起こします。
暴力を振るわれる
上司の暴力行為は明確なパワハラであり、決して許されません。20代前半の若手社員は、力関係や経験の浅さから声を上げにくい傾向があります。暴力が「指導」や「教育」として扱われることもありますが、当然ながら正当化されるものではありません。
パワハラ上司から暴力を受けると、身体的なけがだけでなく、心的外傷(PTSD)を引き起こすリスクも高まります。上司の暴力は1度で終わらず、放置すればエスカレートします。パワハラ被害に遭った際は、音声の録音やけがの写真などをスマートフォンで記録し、証拠を残すことが重要です。
不適切な業務命令を受ける

不適切な業務命令は、パワハラの中でも見分けにくい形態です。能力や経験に見合わない業務量の強制は、パワハラに該当します。上司から不適切な業務命令を受ける具体例は、以下のとおりです。
- 業務時間外や休日に不要不急の連絡や指示がある
- 職務に含まれない業務を一方的に強制される
- 私用の雑務や罰目的の作業を強制される
- 必要なツールや情報がないまま業務を命じられる
- 他の社員のミスや責任を一方的に負わされる
- 体調不良や休暇中でも業務対応を強いられる
社内で孤立させられる
社内での孤立は深刻なパワハラの一種です。精神的な負担が大きく、働く意欲の低下につながります。職場での孤立には複数の形があり、主なケースは以下のとおりです。
- 上司が根拠のない悪い噂を広める
- 会議や打ち合わせの連絡を意図的に外す
- 社内イベントへの参加を除外する
- 業務に必要な情報を共有しない
- 同僚があからさまに冷たい態度をとる
個人の尊厳を傷つけられる
職場で個人の尊厳を傷つける行為は、精神的ダメージを与えるパワハラに該当します。人権を侵害し、自尊心や人格を否定する行為であり、単なる指導の域を超えています。人間としての価値を否定する発言は許されません。20代前半の若手社員は、社会経験が浅いことを理由に「教育」と称して過度に叱責されます。
「こんなこともできないなんて」「使えない新人だからみんな気をつけて」などの発言は、明らかなパワハラです。
パワハラ上司への対処法

パワハラ上司への対処法は、以下のとおりです。
- パワハラの証拠を残す
- 同僚や上司に相談する
- 社内の相談窓口を利用する
- 外部の相談機関に連絡する
- 弁護士に相談する
パワハラの証拠を残す
上司のパワハラ問題では、具体的な証拠を残すことが重要です。パワハラの証拠がなければ水掛け論になり、適切な対応を受けにくくなります。上司のパワハラの証拠として記録すべき内容は、以下のとおりです。
- 日時・場所・内容・証人を記録する
- 会話の録音データを保存する
- メールやチャットの画面を保存する
- 不当な業務命令の書面を保管する
- 第三者による目撃証言を集める
- 医師の診断書や通院記録を確保する
- 精神的苦痛や体調不良の経過を記録する
- 労働時間や休憩時間の実態を記録する
同僚や上司に相談する
信頼できる同僚やパワハラ上司のさらに上の立場の人に相談することは、パワハラを解決するための一歩です。1人で抱え込まず、職場内で信頼できる人に助けを求めましょう。信頼できる同僚やパワハラ上司のさらに上の立場の人にパワハラを相談する際は、事実にもとづいた冷静な説明が欠かせません。
上司のパワハラを相談する相手は、守秘義務を守ってくれる人物を選ぶことが大切です。上司のパワハラを相談するときはプライベートな面談の場を設けてもらいます。パワハラの相談は、感情的にならず問題を解決する姿勢で臨みましょう。
社内の相談窓口を利用する

社内の相談窓口を活用することは、パワハラ問題の解決に向けた重要な一歩です。多くの企業では、ハラスメント専用の窓口や人事部門が設置されており、従業員の悩みに対応しています。パワハラの相談をする際は、事前の準備が欠かせません。自社のハラスメント対応規定や相談窓口の連絡先を事前に確認しましょう。
パワハラを相談した後は、対応の進捗を確認することも大切です。パワハラの相談窓口では専門のスタッフが対応してくれるため、1人で抱え込まず、勇気を出して行動しましょう。
外部の相談機関に連絡する
外部の相談機関にパワハラについて連絡することは、社内での解決が難しい場合に有効です。上司のパワハラは1人で抱え込まず、専門家の支援を受けると解決の糸口が見つかります。労働基準監督署では、労働条件や職場環境について無料で相談できます。
パワハラ防止に関する法律の知識を持つ担当者が対応するため、法的根拠にもとづいた助言を受けられるのがメリットです。全国の労働局や労働基準監督署内には「総合労働相談コーナー」が設置されています。パワハラを含む職場のトラブル全般に対応しています。
弁護士に相談する
パワハラ問題の解決には、弁護士への相談が最も効果的です。パワハラなどの労働問題に詳しい弁護士は、状況を法的に分析し、適切な対処法を提案してくれます。会社との退職交渉や円満な退職に向けた戦略も弁護士と一緒に検討できます。
パワハラを弁護士に相談すれば、実務経験にもとづいた具体的なアドバイスが得られる点もメリットです。早めに弁護士へ上司のパワハラを相談し、証拠の散逸を防ぐと、精神的な負担も軽減できます。
パワハラ上司を止める方法

パワハラ上司を止める方法は以下のとおりです。
- 会社に対応を求める
- 労働局へ相談する
- 訴訟を検討する
会社に対応を求める
上司からパワハラ被害を受けている場合は、会社に正式な対応を求めることが大切です。多くの企業ではパワハラ防止の制度が整備されており、適切な手順で申し出れば解決につながります。会社に対応を求めるには、パワハラ被害の内容と証拠を整理しましょう。
上司によるパワハラの証拠を整理する具体的な手順は、以下のとおりです。
- 発生日時や場所をメモする
- 関係者の氏名などを記録する
- 社内の相談窓口や人事部門に報告する
パワハラに関するメールやチャットの履歴、録音データなどの証拠があれば、説得力が高まります。就業規則やコンプライアンス規定を確認し、どのルールに違反しているかを明示することが効果的です。
労働局へ相談する

上司のパワハラ問題の解決には、労働局への相談が効果的です。労働局には無料窓口の「総合労働相談コーナー」があり、パワハラを含む労働問題全般に対応しています。労働局へのパワハラ相談は匿名ででき、プライバシーも厳重に保護されます。専門の相談員による助言を受けると、適切な対処法を見つけることが可能です。
労働局へのパワハラ相談は会社に知られずに利用できるため、安心して活用できます。
法的な手続きを検討する
上司のパワハラ問題が解決しない場合は、最終手段として法的な手続きを検討してください。法的手続きを取る際は、自分の権利を守るため、弁護士などの専門家に相談しながら進めることをおすすめします。
パワハラによる被害の法的手続きは、主に労働審判と民事訴訟の2つがあります。
- 労働審判:労働問題に特化した手続きで、短期間での解決が可能
- 民事訴訟:損害請求などを目的とした正式な裁判手続き
どちらの手続きも弁護士に相談すると、状況に応じた専門的なアドバイスを受けられます。パワハラの証拠としては、日記やメール、録音データが有効です。上司から受けた精神的・身体的被害を証明するには、医師の診断書が必要です。
パワハラ上司が原因で転職する際のポイント

パワハラ上司が原因で転職する際のポイントについて、以下の内容を解説します。
- 転職を検討する基準
- 転職活動の進め方
転職を検討する基準
パワハラ上司のもとで働き続けるか、転職に踏み切るかは多くの人にとって深刻な悩みです。上司のパワハラが原因で不眠や食欲不振、うつ症状が出ている場合は、体が発する危険信号と受け止めましょう。健康を犠牲にしてまで、パワハラ上司のもとで働く必要はありません。
現在の職場環境がキャリアに悪影響を与えていると感じる場合も、転職を検討する理由になります。20代前半は今後のキャリアを左右する重要な時期です。パワハラが横行する悪い職場で貴重な時間を過ごすのは避けましょう。
転職活動の進め方
パワハラ上司から逃れるための転職活動は、計画的に進めることが重要です。転職活動を効率よく進めるには、事前準備と明確な戦略が欠かせません。自身の経験や強みを整理し現職での実績を振り返り、アピールできるスキルや成果を洗い出しましょう。
転職理由を伝える際は「キャリアの幅を広げたい」など前向きな表現に言い換えることが効果的です。応募先を選ぶ際は、業界や企業の情報を調べましょう。企業の社風や上司のマネジメントスタイルを事前に把握すると、再びパワハラ環境に入るリスクを抑えられます。
» 退職の伝え方と適切なタイミング
まとめ

以下のようなパワハラ上司の言動や態度は、自身の心や体に悪影響を及ぼします。
- 感情の抑制ができない
- 根性論を押し付ける
- 自己評価が過剰である
- 責任転嫁する
パワハラ上司への対応で重要なのは、証拠を記録することです。パワハラ上司への対策として日時や内容をメモし、可能であれば音声や画像も保存しましょう。1人で抱え込まず、信頼できる同僚や上司、社内の相談窓口に相談することも有効です。
上司のパワハラが原因で転職を検討する際は、自分の価値観や働きやすさを基準に健全な職場環境を選ぶことが重要です。上司のパワハラは決して我慢せず、適切な対処を取りましょう。
» 退職代行とは?仕組みとメリット・デメリット、利用の流れ
2020年6月、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律(労働施策総合推進法)」が施行されました。この時期より、日本で堂々とパワハラについて言及できるようになりました。それまでは相談件数が増えていたもののパワハラ上司が強く、被害者に負け犬、社会不適合者といったレッテルが貼られていました。
今は上司になっても部下に接待をしているみたいだ、と感じる方も多いはず。ともに、会社の資本家や経営者の目指す目標を満たすために集まった同志です。しっかりコミュニケーションをとると、以外とあっさり解決する問題です。